2007年10月24日
トルコ政府は突然にクルド人攻撃を決めたわけではない

今朝の読売新聞国際記事で突然、クルド労働者党(PKK)のイラク北部拠点への越境攻撃に踏み繰るか否かで、トルコのエルドアン首相が苦悩しているという記事が載った。
国内の強硬論と国際時勢圧力で板ばさみなっているというのだ。
本当か?
現状はどちらを選んでもトルコにとって失うものが大きいと書いてある。
本当か?
私はそうは思えない。
私はアメリカの慰安婦決議に不審を持っているので、その後のニュースを気にかけているのですが、実は12日にアメリカ下院で90年以上前のオスマントルコ時代のアルメニア人虐殺を非難する決議案を採択、可決したのです。
「ブッシュ大統領も10日朝の会見で「決議案採択はNATO(北大西洋条約機構)、そして対テロ国際闘争での枢要同盟国との関係を傷つける」として改めて反対を述べていた」とあるぐらいなのに、採決されました。
そしてアメリカ民主党で委員長のラントス議員が言ったことは、
「大虐殺は非難されねばならない。トルコとの関係は確かに重要だ。だが日本の慰安婦決議案の審議でも、『これを通せば日米関係に重大な結果が起きる』と警告があったが、なにも起きなかった」です。
なんということでしょう。日本に対する慰安婦決議で重大な結果が起きなかったから、トルコに対する非難決議を採択したというのです。日本のふがいない対応のせいで、エルトゥールル号遭難事件での日本の働きを今も忘れず、親日的に接してくれる国に迷惑をかけてしまったのではないかと、私はとても悔しく思います。
この決議の後、トルコ政府は在米大使を急遽帰国させ、トルコ国内でのアメリカの基地使用を禁止する意図まで伝えたといいます。官民一体となってアメリカの議決に報復行動をとっています。イラクからのクルド人の越境ゲリラにトルコ国民が毎年殺されているのですが、NATOに協力する手前、混乱を避けるためイラク国内への越境攻撃を我慢してきたのはトルコ側なのです。アメリカ下院のふざけた決議が出た以上、イラクを手中にしたいアメリカのために我慢をする理由がありません。
板ばさみなっているのはアメリカです。トルコではありません。
これが「普通の国」なんです。慰安婦決議に対する日本の反応のほうが「異常」なんです。
日本が決議に報復したとかしなかったとかではなくて、このような「普通の国」が日本を取り囲んでいる現実を知らなければなりません。軍事力も外交手段の一つであり、それをアメリカに頼りきっているのが日本であり、アメリカの軍事力のおかげでこの世界で日本が生きていられるんです。自分だけが今、平和ならそれで良いという時代は終わったんです。なぜ平和で、なぜおいしいものが食べられるのかを知る時代になったんです。
このアメリカ下院の採決とブッシュ大統領の反応、トルコ側の本当の反応を書いた記事を、私はヨミウリオンラインで見つけることが出来ませんでした。
肝心なことが抜けた記事を読まされては、世界情勢を読み間違えるばかりです。
一連の流れとして物事は進んでいきます。その流れが見えるような記事を読みたいですし、新聞は書かないといけないと思います。
トルコ政府は突然にクルド人攻撃を決めたわけではないのです。
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